不動産売却は長期的な視点で

数年前、立教大学裏(西池袋3丁目)の約70坪の土地を仲介させて頂きました。話が出てから2年弱かかりました。そこには戦後昭和20年代に建ったアパートが建っていて、賃借人も4・5人おりました。アパートは老朽化し、遠からず取り壊すつもりではおり、居住者には通告していたようでした。オーナーは70歳代の男性。家族は奥様と既に嫁いでいる娘さんだけで、新しくマンションに建替えてもまたしんどいなぁというところでした。
売却すると決めて、広く市場に公開し、買手が決まり、契約まで6ヶ月、立退き・解体・測量・引渡ののち残金決済までに更に6ヶ月かかりました。業者として結構骨が折れる大変な作業で、「山より大きな猪は出ない」という言葉を心に念じて仕事をしたことを覚えております。

さて、ここでご提案です。お持ちの不動産を点検されてみては如何でしょうか?

※ ご家族の方は(お子さんを含め)、将来に亘り今のご自宅に満足されていますでしょうか?
※ 収益不動産(アパート・マンション)は、時価と比較して充分な収益をあげていますか?
※ 使わなくなった別荘などの不要な不動産、また息子さん・娘さん等未来の相続人が遺されても困る
(現金・金塊のほうがいい!)と思われるような不動産はありませんか?
前記アパートはまさにそういう物件でした。
※ 不動産は物理的に分けられませんので、その面の相続対策はお済みですか?

また、蛇足ながら2・3アドバイスさせて頂きますと、

1.人間が主で、不動産が従

不動産はより快適に人生を過ごすための道具であり、囚われてはならないということです。
不動産を中心に人生を考えるのではなく、人生(人間)を中心に、道具として不動産を考えましょう。
…みていると、この人は、この不動産がないほうが、より人生が豊かになるのではないか(なったのではないか?)
と思われる方がいます。

2.時の時価相場に左右されない

確かにその時の景気により不動産価格は大きく上下します。しかしここは売り時だ、買い時だとハッキリ判るのは数年後です。
相場見通しは充分やった上で、人生は有限ですから、ご自身のご都合で売却時期を考えて下さい。
高値で売るためには、上述したように工夫も時間もかかります。時間の余裕を充分とって下さい。
(当社でも価格査定致します。)

3.税金等も考慮しましょう
利益には税金がかかってきます。損失が出る不動産と抱き合わせで売却するとか、契約上、売却時期をずらす、など工夫が必要です。ここにも長期的視点が必要です。

などなど、色々と述べさせて頂きましたが、先ずはお気軽に何なりとご相談下さい。

( 土屋 治)