半月程前、創価学会員の知り合いが参議院議員の候補者のパンフレットを持って当社を訪れました。
よくよく聞いたら来年は参議院選のみならず統一地方選挙があるということで、早速公明党が動き出したというわけです。来年(2019:平成31年)4月に豊島区区議会議員選挙があり、同日に区長選挙が行われる予定となっています。

焦点は、現高野区長の6選はあるか?対抗馬として誰がでるか?ということでしょう。現在区長で最多選は、中央区長の矢田美英氏(7選。立候補当時74歳。)高野区長は、来年の選挙の立候補時には81歳になります。

参考までに多選による弊害について、巷間いろいろ言われているものを一般論として列挙してみます。
 チェックすべき議会がオール与党化する・・・
 ・区長による行政運営を議会がチェックするのではなく、区長とのパイプを誇り、
  自分の地元に利益誘導するようになる。
 ・意思決定の独善化、側近政治が横行し、周囲がイエスマンばかりとなり職員の士気
  低下を招きやすくなる。
 ・許認可や補助金の関係で、外部民間団体・利益団体と癒着がはじまると、利益を
  たらい回しにする談合体質に陥りやすくなる。
  (卑近の例として、区商連発行の割引買物券はビックカメラでは使えるのですが、
   ヤマダ電機では使えません。こういう指摘は豊島新聞には絶対載りません。)

 私の見るところ、後継者もしくは対立候補は定まっている様子がありません。通常であれば、都議会議員から適任者を選ぶことが多いですが、現都議会議員の本橋弘隆氏(56歳)は自民党を離党して今は都民ファーストの会の所属です。また自民党の都議会議員だった堀宏道氏(54歳)は落選中。この両氏が強いて言えば有資格者と考えられますが、両者ともキャラクター的に首長向きではありません。その他、現在の区議会議員からの候補者、具体的には大量得票者を物色してみても、前回4224票でトップだった古坊知生氏は無所属です。区長当選には5万票前後必要ですから、これには自民党系の票は勿論、公明党の票が必要となります。

 というわけで保守系(自民党系)の候補者はおりません。公明党は通常、区長候補は出しません。出すとすれば共産党でしょうが、これは組織点検のための地域に無縁な党員候補になるでしょう。共産党が地域・地元の繋がりのある人を候補として出したのは、平成7年の榊原貞良氏のみ。残るは民主党(現在は立憲民主党)ですが、泉谷剛氏・鈴木庸介氏とも民主党をまとめて区長候補を立てるだけのパワーは無いと見ています。しかし、両者とも区長選を巡って、ある程度の存在感を出せないと未来は暗いと言わざるを得ません。

 さて、現時点で辞めるという表明がない以上、高野さんは出馬されるでしょう。
対抗馬がない以上、晴れて6選区長・在職24年ということになりそうです。
 区長が4半世紀同一人物ということであれば、せめて区議会議員だけでも固定化・長期化を防ぐためにも清新な人材でフレッシュ化し、厳しい区政チェックを望みたいところです。各議員は選挙を控え、区長6選について賛否を明確に表明するべきだと考えます。区長を慮って(忖度して)、無視し、口を閉ざすようなことがあってはならないと思います。これから忘年会・新年会の季節になりますので、各議員の見識に期待し、興味をもって注目したいと思います。

参考資料として現議員の得票数及び当選回数の一覧を挙げてみます。
尚、区議会事務局によると議員の年齢は公表していない(秘密)ということなので、興味のある方は各議員のホームページ等で確認して下さい。(議員によっては生年を明確に表示していない方もいます。)

(平成30(2018)年10月18日 土屋 治:さんらいふ2018年10月号掲載)