shimenawa

 私共、不動産業者に対しては向かい風ですが、日本は人口減の時代を迎えています。その原因の一つに、中間層の崩壊が考えられます。

 年収200万円以下の給与所得者の「人数」と「人口に対する割合」を、
2002年と最新の2013年とで比較すると、803.2万人・19.1%
から、1,119.9万人・24.1%へと、人数は317.7万人も増えております。これを裏付けるように、一人当たりの実質賃金は、ピークである1997年と2015年で比較すると、15.2%(年率0.9%)も下がっております。これからも、労働法制の改定(改悪?)により非正規雇用者の増大は続くでしょうから、中間層の崩壊に拍車がかかるものと思われます。これでは結婚も、子供をつくることもできません。

 経済成長には生産性の向上が不可欠であり、これには技術革新が期待されますが、今のところ新たなアイデアの芽もなく低調に終わりそうです。日本は成長経済から成熟経済(せいぜい成長率1%内外)に20年前から入っており、その間20年近く、ゼロ金利・ゼロ成長・ゼロインフレ率が続いています。
おそらく将来もこのような状態が続くことと思われます。

 ポルトガルの格言で、「今日よりいい明日はない」というのがあるそうです。大航海時代のポルトガルが全盛期を迎えたのちに衰退した際の格言だと思われます。もう経済的に伸長する余地がないわけですから、明日に期待せず、今日をエンジョイするしかない、という気分が出ています。

 これは、老年を迎えつつある私には格別胸に響きます。少しずつ体力・気力・知力が衰えつつあり、
今日より明日はもっと弱ってくると思われます。(人間は今が一番若い。)今年は、「今日が大事だ。
今日が一番いいのだ。」という思いをもって(達観して)、過ごしていきたいと思っております。

 以上、やや弱気な格言ですが、次に、私の座右の銘のうち前向きのものをご披露しましょう。

     「昨日の我に今日は勝つべし」 柳生石舟斎(やぎゅう せきしゅうさい)
      自己鍛錬・自己研鑽を怠るなということでしょうか。

本年も宜しく。
                     

(平成29年 元旦  土屋 治)

gahag-0009530392-1