近年、空き家・空き室が増えており、これからも増えると思われ問題となっております。

 全国の空き家は820万戸・空き率は13.5%、豊島区の空き家率は23区中で最も高い15.8%です。豊島区は賃貸住宅の空き家が多く、空き家率の84%程度を占めていますが、いま喫緊の問題は一戸建ての空き家・廃屋です。空き家となれば管理が行き届かず、庭が荒れ、空き缶やコンビニの弁当等のゴミ等を投棄し不衛生となります。また浮浪者の住み付き、不審火等の心配も生じてきます。区等公共団体もその対策に乗り出しております。

 これに比べ賃貸住宅に関しては、そもそも所有者が営利を目的として建てたものですので、公共団体が配慮すべきものではありません。心配・工夫は基本的に所有者(賃貸人)がすべきものです。(当社も蓄積したノウハウを駆使して、お手伝いさせて頂きます。)

 ことほど左様に空き家問題は深刻ですが、都心の一戸建ての空き家は、無道路地など一般的に問題となる物件も売却・取り壊し等、何らかの解決が図られているようです。

困るのは郊外・地方の物件です。最近、住宅の売却を当社で受託しましたが、それぞれ高齢化社会を反映しているものでした。

 ひとつは日高市のかつての高級住宅地・武蔵台団地(こま武蔵台団地:埼玉県日高市武蔵台)の住宅でしたが、持主(96歳・女性)がグループホームに入所したのでという娘達からの売却の依頼でした。家の中を空にしないと案内もできないので、約3ヶ月かかって片づけて頂く予定になっております。
 もう一つは東松山(同じく埼玉県、東松山市)の郊外の住宅。これも女性(92歳)が一人で住んでいましたが、老人施設に入ったので、その兄弟姉妹から売却依頼がありました。こちらは持ち主が少し認知症気味であり、家の中が足の踏み場も無いという状況だそうで、整理に時間がかかりそうです。

 日本は人口が減少しておりますが、世帯数は一貫して増えております。その中で65歳以上の単身者世帯は今年に入って減少しているそうです。その中には、子供の世帯が田舎の親を呼び寄せて一緒に住む、またはその反対のケース。あるいは上記のように施設に入るようなケースが増えているようです。これからはその類の空き家が増えていくと思われます。

    住宅はますます余ってきますので、早めの売却をおすすめ致します。

 特に、都心に出るのに電車で一時間前後の地域ですと、2、30年前に団塊世代が流入してブーム的に開発されたところが多く、高齢者が多くなり、かつ若い人が入ってきませんので、数年を経ずして急激に価格が下がると思われます。上記武蔵台団地は平成元年に買値9,500万円(土地418㎡ 建物160㎡築5年)でありましたが、今回内装工事代金を負担して、売値が2,000万円前後になりそうです。

(平成28年11月4日 土屋 治(一部改))

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