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 来年1月にアメリカ合衆国大統領に就任するトランプ氏について、日本側は人脈もコネも全くない状態のようですが、私のわずかな友人関係から聞いた話を書いてみます。

元 某邦銀信託銀行勤務の友人・・・
 今から10年ほど前、ニューヨーク勤務のおり、ゴルフ場でトランプ氏を紹介されたそうです。なかなか礼儀正しくて好印象を持ったとの事。

元 長期信用銀行ニューヨーク支店長の先輩・・・
 支店長時代、トランプ氏から、プラザ合意で有名なニューヨークの高級ホテル・プラザホテルの買収資金の融資申込みがあったそうです。長銀側で計算したところ、どう考えても一部屋50万ドル以上では採算に乗らないところ、一部屋100万ドルに付いていたそうで、融資を断ったそうです。トランプ氏の手法としては、自分の金は使わずに(せいぜい10%程度)、あとはファンドと借入に頼って事業を行っていたそうです。プラザホテルの買収は他の銀行団により行なわれたそうですが、後に倒産。(トランプ氏は数回倒産している。)融資を断った後も、トランプ氏からアメリカ各地の果物を毎月のように送ってきたそうです。(先輩は丁重に送り返したとのことです。)

 また今回話題になったのは、マスコミの選挙予想が外れたことでした。クリントン氏有利は揺るがないとみられていました。もっとも総得票数ではクリントン氏がトランプ氏を200万票ほど上回ったわけです。(選挙人数では大差逆転。)
 マスコミも綿密に調査を行ったようですが、インターネット・電話でのアンケートで、事実クリントン氏有利の数字が出たようです。

 これについて選挙後の識者のコメントで印象深いものがありました。それは調査対象者が、嘘をついた・或いは正直に答えなかったではないかとのこと。「トランプ氏は差別発言・女性蔑視発言で品性下劣のイメージがあり、匿名としても彼に投票するとは言い難かったのではないか?」ということでした。
2人のうちどちらがアメリカ大統領にふさわしいかという質問であれば、圧倒的にクリントン氏だと思われますが・・・。

 EUからのイギリス離脱「Brexit(ブレグジット)」と同様に、理性と感情の戦いに感情が勝った、ということでしょうか。私としては、クリントン氏がこれほどまでにアメリカ国民に嫌われているとは、想像を絶するものがありました。

(平成28年12月2日 土屋 治)

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